鶴見事件第22回公判のご報告02,4,22

 

          

支援の皆様へ               弁護人 大河内秀明

1 第22回公判(4/17PM1:30〜4) 

  被告人質問が実施されました。

前々回に弁護人,検察官の質問は終了。この日,裁判所が質問。

林主任裁判官から約1時間,質問内容は,被害者事務所に行った目的,Iさんへの電話,取調状況などについて。そのうち,2/3近くはIさんに関するもの。

休憩を挟んで,中西裁判長から約20分。質問内容は,鍵が落ちていた場所と,被告人がそれを拾った時の位置,そこまでの姿勢などを,見取図に記入させながら,厳しく追及するといった感じの質問で,弁護人も緊張し,補充質問を行いました。

被告人質問は,被告人自らが疑惑を晴らすチャンスでもありましたが,裁判所の疑惑を払拭するには至らず,却って裁判所の疑惑を深める結果となりました。ただ,致命傷にはならなかったと思っています。 

ともかく,これですべての審理が終了しました。

2 総括

  凶器と殺害順序については,控訴審で,さらに自白内容に重大な疑問が生じました。

まず,バール,ドライバーの凶器性については,検察官の依頼による的場教授の鑑定は弁護人が依頼した斉藤教授の鑑定によって否定され,さらに大きな疑問が生まれました。

次に,検察官は女性被害者が外出したことの立証に失敗したこと,及びそれに加えて男性被害者のシャツの肩部に外から付けられた擦過血痕が混合血であることがDNA鑑定と法廷で実施したシャツの検証によって証明されたことから,検察官主張の「男性→女性」の順の殺害の可能性はなくなりました。

自白によれば,事件当日,被告人は,午前10時30分頃,男性被害者に電話した後,すぐに車を発進させて被害者事務所に向かったことになっています。そうすると,車で3〜4分の近くにいた被告人が,「事務所に行ったら,被害者は死んでいた」と言ってみても,それが通用する筈はなく,よって,仮に自白内容に上記のような疑問があったとしても,被告人が犯人であるという結論は動かないということになって,無罪の見通しは暗いものになります。

しかし,被告人は,法廷で,「男性被害者に電話した後,元請のF電気のYや知人のIらに電話したので,事務所には10時55分頃着いた」と述べています。被告人が犯人でないというにはこの話が不可欠なのですが,弁護人は,YやIの娘さんの証言によって,このことを立証することができたと思っています。

3 次回第23回公判予定(7/15PM1:30〜)

最終弁論(弁護人2時間,検察官1時間)

4 最後に

 判決は予断を許さない厳しい状況にあると思います。勝負は最終弁論まで持ち越されたと思っております。したがって弁護人としては,あとは説得力のある最終弁論をするために全力を傾注すること,これあるのみです。

  支援の皆様のさらなるご支援をお願いします。

 


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